2023.7.24

未完の聖堂、その秘密が明らかに。天才建築家の神髄に迫る＠東京国立近代美術館

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ガウディとサグラダ・ファミリア展

2023年6月13日（火）〜9月10日（日）、東京国立近代美術館で「ガウディとサグラダ・ファミリア展」を開催中です。スペイン、カタルーニャ地方に生まれ、バルセロナを中心に活動した建築家アントニ・ガウディ（1852-1926）。圧倒的な存在感を放つサグラダ・ファミリア聖堂は、世界中の人々を魅了し続けています。

サグラダ・ファミリア聖堂、2023年1月撮影　© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

「ガウディとサグラダ・ファミリア展」は、長らく「未完の聖堂」と言われながらも、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリア聖堂から、ガウディの建築思想と造形原理を読み解いていく展示で構成されています。

図面のみならず膨大な数の模型を作ることで構想を練り上げたガウディ独自の制作方法や、建築・彫刻・工芸を融合する総合芸術志向にも光を当て、100点を超える図面、模型、写真、資料に最新の映像をまじえて、ガウディ建築の神髄に迫ります。

《ガウディ肖像写真》1878年、レウス市博物館

ガウディの創造の源泉を探る展示では、「歴史」「自然」「幾何学」の3つのポイントにフォーカス。「人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する」という言葉を残した背景にある、独創的な建築を生み出す土台となった観察力や探求心を浮き彫りにします。

アントニ・ガウディ《植物スケッチ（サボテン、スイレン、ヤシの木）》1878年頃、レウス市博物館

また、サグラダ・ファミリア聖堂の軌跡をたどる展示では、具体的な制作方法が明らかに。ガウディが手掛けたオリジナル模型や彫刻などから、ユニークな形状にスポットを当てています。

《サグラダ・ファミリア聖堂、全体模型》2012-23年、制作：サグラダ・ファミリア聖堂模型室、サグラダ・ファミリア聖堂　© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

専門の彫刻家に造形を委託できなかったガウディは、自ら彫刻を制作。当時は最新技術だった写真や、動物・人間など実物モデルからの石膏の型取りを活用したことなど、ガウディの彫刻術にはテクノロジーの活用とリアルの存在の融合という特徴があります。展覧会では、スペイン内戦時の破壊を免れたガウディのオリジナル彫刻を紹介しています。

アントニ・ガウディ《サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面：女性の顔の塑像断片》1898-1900年、サグラダ・ファミリア聖堂　© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

ガウディの造形や設計原理のみならず、思想的側面などに触れられる貴重な展覧会。1882年の着工から140年が経過した今、比類なき建築物を生み出したガウディの足跡をたどることは、現在そして未来の建築の姿を模索するヒントになるはずです。

edit & write : yoko sueyoshi

会場：東京国立近代美術館
会期：2023年6月13日（火）～9月10日（日）
休館日：月曜日
住所：東京都千代田区北の丸公園3-1　
開催時間：10：00～17：00（金・土曜日は20：00まで）
※入館は閉館の30分前まで費用：一般2,200円、大学生1,200円、高校生700円、中学生以下は無料
※主催者の都合により情報が変更になる可能性があります。最新の情報はイベントHPをご確認ください。
※本展は、混雑時に入場をお待ちいただく可能性があります。平日や夕方の時間帯での鑑賞がおすすめです。
※【巡回情報】佐川美術館：2023年9月30日（土）～12月3日（日）、名古屋市美術館：2023年12月19日（火）～2024年3月10日（日）

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