今回の探訪場所は「Chromatic Gallery(クロマチックギャラリー)」。表参道の交差点から千駄ヶ谷方面に15分ほど進んだ場所に位置する、アクセシビリティの良い会場だ。目の前には背の高い街路樹が印象的にそびえている。
ガラス張りで間口が広いので、外からも内観の様子がよくわかる。木目調の床にモルタル風の壁という、一見すると非常にシンプルな空間なのだが、入り口には赤と白のビビッドで個性的な丸椅子があったり、真っ赤なパーティションや、大きな置き鏡があったりと、ところどころにピリッとこだわりを感じる会場だ。
一体オーナーはどんな方なのか、どんなにぎわいを求めてギャラリーをはじめたのか、管理担当の岩田さんにお話を伺った。
一体オーナーはどんな方なのか、どんなにぎわいを求めてギャラリーをはじめたのか、管理担当の岩田さんにお話を伺った。
―このギャラリーの成り立ちについて教えてください。
2018年3月にギャラリーとしてオープンしました。このビルの1階と2階のスペースを貸し出しています。建物が傾斜のある地形に立っているので、明治通り沿いが2階、1階は地下のような印象になります。もともと1階のスペースは、音楽関係のレッスンスタジオとして使っていました。実は我々の本業は、音楽レーベルの運営やミュージシャン育成等、音楽関連なんです。以前2階はコンビニに貸していたのですが、2017年に撤退し、しばらく借り手がつかなかったので、オーナーの提案で、自社でギャラリーとして運用してみることになり、私が管理を務めることになりました。突然の発想に驚きましたが、オーナーと一緒に都内のギャラリーをいくつか見学しながら、理想の雰囲気を検討し、内装などを考えていきました。
―会場備品の机やベンチも個性的で素敵ですよね。特注でしょうか?
はい。この机とベンチは同じ木材を使っています。実は最初は会場の床にこの木材を使用していて、その端材で作りました。気に入っていたのですが、自然木のためか収縮が激しくてゆがみが出てしまい、結局床材はすべてやり直しになってしまったんです。
机もベンチも、利用者さんが自由に使えるように、天板と脚をばらして収納できる仕様になっています。
机もベンチも、利用者さんが自由に使えるように、天板と脚をばらして収納できる仕様になっています。
―赤と白の椅子や、大きな鏡が珍しいと思ったのですが、会場に合わせて選んだのですか?
これはきっと、オーナーの趣味ですね(笑)。前のオフィスにあったものを持ってきたみたいです。赤が好きなのかもしれません。この赤を気に入ってくださるお客様もいらっしゃいますね。
―会場の名前は、「スペース」ではなく「ギャラリー」ですよね?「Chromatic」という名前に込めた思いは?
オーナーが音楽やアートに興味があるので、絵やアート関連の展示スペースとして使っていただくイメージを持っていたことから「ギャラリー」としました。 「Chromatic」は私たちの会社の名前 「Chromatic Music Lab.」からとっています。「Chromatic」ってあまり聞きなれないですよね。調べると「半音階の」などの意味が出てくるのですが。
実はうちのオーナーは新しい音楽理論の研究者でもあり、黒鍵と白鍵の区別をなくした新配列キーボード「ムトウ式クロマチックキーボード」という楽器を開発して世界的に注目されたことがあります。ピアノと違って黒鍵がないキーボードなので、だれでも簡単に移調演奏ができてしまうんですよ。話せば長くなってしまいますが、そういう背景もあり、会場名にも「Chromatic」という言葉が入ったのだと思います。
実はうちのオーナーは新しい音楽理論の研究者でもあり、黒鍵と白鍵の区別をなくした新配列キーボード「ムトウ式クロマチックキーボード」という楽器を開発して世界的に注目されたことがあります。ピアノと違って黒鍵がないキーボードなので、だれでも簡単に移調演奏ができてしまうんですよ。話せば長くなってしまいますが、そういう背景もあり、会場名にも「Chromatic」という言葉が入ったのだと思います。
―すごく気になります!「にぎわい探訪」のインタビューで、音楽理論の話になるとは思いませんでした。そちらのお話をたくさん伺いたいところですが、少し話をベニューに戻しますね。ギャラリーはどんな用途で使われる方が多いでしょうか?
この土地柄、ということもあると思いますが、圧倒的にアパレル関係のお客様が多いです。
服飾のBtoBの商談&展示会のような使われ方が多いので、ハンガーラックをたくさん備品として準備するようにしました。今もそうですが、借りる方のニーズに合わせて、会場のルールや備品を検討しています。
商談会に来たお客様が、このギャラリーを気に入ってくださって、そのお客様から利用希望のお問い合わせをいただいたりすることが多々あります。
服飾のBtoBの商談&展示会のような使われ方が多いので、ハンガーラックをたくさん備品として準備するようにしました。今もそうですが、借りる方のニーズに合わせて、会場のルールや備品を検討しています。
商談会に来たお客様が、このギャラリーを気に入ってくださって、そのお客様から利用希望のお問い合わせをいただいたりすることが多々あります。
―なるほど、来場された方が次の借り手になってくださるのは嬉しいですね。この会場の魅力はどんなところにあると思いますか?
使い勝手が良いレイアウトだというのはよく言われます。間口の広い見た目とは裏腹に、実は奥行きのある長方形なので。仕切りを立てたりして、ユニークにレイアウトして使ってくださるので、「そんな使い方もあるのか」と私もいつも勉強になり楽しいです。
―今後このスペースをこんな風に活用してほしい、こんなイベントをやってみたい、など、 イベントやスペースの創り手に期待することはありますか?
フリーマーケットや合同イベントをやってみていただきたいです。この会場は小さな会社さんや個人事業主の方には少し広すぎることもあり、それが理由でご利用を見送られることがあるのです。もし数社合同で借りていただければ、それだけ来場者の幅も広がると思いますし、来場者間でのネットワークも生まれるのではないかと。このビルの近隣の路地裏ににも、おしゃれで個性的な小さなテナントさんが多いのですが、人と人との交流は薄いように感じるんです。近隣の方となにか実施できたら楽しそうです。
―たしかに。会場発信で、その地域に「にぎわい」やつながりを創るって、とても素敵な発想ですね。そういえばちょうどこのギャラリーの目の前に、おもちゃ屋さんもありますし、ここを使って親子向けプレイパークとかもできそうですね。
それも面白いですね。アパレルのお客様に限らず、いろいろな業種の方に利用いただけるようになると嬉しいです。新しいアイデアを持った方に借りていただいて、どんどん活用の幅を広げていただきたいと思っています。
リピーターも多いというChromatic Gallery。地域のにぎわいを創出するイベントアイデアを募集中。
これからの展開が楽しみだ。
edit & write : にぎわい探訪編集部
これからの展開が楽しみだ。
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〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2丁目33−5 パークノヴァ神宮前1F、2F
(建物の構造上2Fが明治通りの路面となっており、1F入り口は裏手側になります。)
03-4590-9333(電話受付時間:11時〜18時)
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