「NAKATEN」の呼称で知られる中村展設は、1917年の創業以来、展示業界のパイオニアとして、顧客の思いを「唯一無二の空間」に昇華させることを使命に歩み続けてきました。100年以上の歴史の中で、イベント展示や美術館、商業施設など、多岐にわたる空間デザインを手がけ、顧客に深く寄り添いながら、時代を越えた価値を提供しています。今回は、イベント展示部で営業兼現場監督を務める髙見真吾氏とデザイナーの川井咲恵子氏に、「空間創造」に懸ける情熱とその奥にある思いを聞きました。
創業者の精神を反映した「桜の半纏」。唯一無二の空間を生み出す、中村展設のDNA
――中村展設は100年以上の歴史を持つ老舗企業です。創業の背景やエピソードについてお聞かせいただけますか?
髙見:中村展設の始まりは、1917年(大正6年)にさかのぼります。現会長の祖父にあたる創業者の中村伝治が、全国に先駆けて浅草で博覧会や展覧会の企画・施工を専門とする「中村商会」を創設。伝治は大親方として職人たちを束ねていました。
伝治の装飾に対する情熱は非常に強く、その思いは中村商会の面々が着ていた半纏(はんてん)にも表れています。背中にあしらわれていた「桜」の花びらと「装」の印は、「見る者にひととき感動を与える桜のように、人々の心に残る装飾をしたい」という装飾業への意気込みとアイデンティティを示すものでした。この印に込められたマインドは、今もなお私たちが大切に受け継いでいます。
その後、1962年に建設業に登録し、1965年には現社名に変更しました。建設業の登録を契機に、中村展設は内装事業へと進出。当時、百貨店のショールームや商業施設の内装を手がけ始め、展示会やイベントの領域も徐々に広げていきました。また、博覧会での経験を活かし、美術館や博物館の内装業務にも取り組むようになりました。
髙見:中村展設の始まりは、1917年(大正6年)にさかのぼります。現会長の祖父にあたる創業者の中村伝治が、全国に先駆けて浅草で博覧会や展覧会の企画・施工を専門とする「中村商会」を創設。伝治は大親方として職人たちを束ねていました。
伝治の装飾に対する情熱は非常に強く、その思いは中村商会の面々が着ていた半纏(はんてん)にも表れています。背中にあしらわれていた「桜」の花びらと「装」の印は、「見る者にひととき感動を与える桜のように、人々の心に残る装飾をしたい」という装飾業への意気込みとアイデンティティを示すものでした。この印に込められたマインドは、今もなお私たちが大切に受け継いでいます。
その後、1962年に建設業に登録し、1965年には現社名に変更しました。建設業の登録を契機に、中村展設は内装事業へと進出。当時、百貨店のショールームや商業施設の内装を手がけ始め、展示会やイベントの領域も徐々に広げていきました。また、博覧会での経験を活かし、美術館や博物館の内装業務にも取り組むようになりました。
――御社が現在まで大切にしてきた企業理念「積極・責任・誠実」について、この理念が日々の仕事にどのように表れているのでしょうか。
髙見:「積極・責任・誠実」というのは、社員一人ひとりが日々の業務で大切にしている基本の姿勢です。この企業理念を自分のものとして、日々の仕事の中で体現し続けています。私の場合は、予想以上に進行が難しい案件を担当しているときや、思いがけない問題に直面したとき、この三つの言葉を行動の指針にしています。
たとえば、進行が厳しい案件では「積極的に行動すること」が大事で、課題に対してどう解決策を見出すか、まず一歩踏み出す勇気が求められます。また、「結果に責任を持つこと」にもこだわっており、どのような状況でも最後までやり抜く覚悟を持って取り組んでいます。そして、「お客様に対して誠実に向き合うこと」も非常に重要です。プロジェクトを進める中で、細部までお客様の意図や要望を理解し、信頼関係を築くために誠意を持って対応することで、質の高い仕事が実現できると考えています。
髙見:「積極・責任・誠実」というのは、社員一人ひとりが日々の業務で大切にしている基本の姿勢です。この企業理念を自分のものとして、日々の仕事の中で体現し続けています。私の場合は、予想以上に進行が難しい案件を担当しているときや、思いがけない問題に直面したとき、この三つの言葉を行動の指針にしています。
たとえば、進行が厳しい案件では「積極的に行動すること」が大事で、課題に対してどう解決策を見出すか、まず一歩踏み出す勇気が求められます。また、「結果に責任を持つこと」にもこだわっており、どのような状況でも最後までやり抜く覚悟を持って取り組んでいます。そして、「お客様に対して誠実に向き合うこと」も非常に重要です。プロジェクトを進める中で、細部までお客様の意図や要望を理解し、信頼関係を築くために誠意を持って対応することで、質の高い仕事が実現できると考えています。
緻密なリサーチと妥協を許さない現場力で、顧客を成功へと導く
――御社はイベントや展示の企画提案、基本設計、製作・施工、管理運営まで幅広く手がけられています。顧客のニーズを的確に把握し、それを反映した空間を作るために、具体的にどのような工夫をされていますか?
川井:私は、デザイナーとしてお客様が展示会で紹介する製品やサービスの特性を深く理解することをとても大切にしています。まず、展示する製品のカタログやウェブサイトを徹底的に確認し、その製品がどのような特徴を持っていて、ターゲットユーザーが誰なのかを把握することから始めます。
事前のリサーチを通じて、「展示する製品が何を伝えたいか」「来場者がどのように感じてほしいか」という点を徹底的に考え抜きます。文字情報だけで理解できないときには、クライアントに直接話を伺うこともあります。製品に込められた開発背景や企業のメッセージも含めて理解し、展示空間にどう反映させるかを練り上げます。
たとえば、製品が「安心感」や「先進性」といった印象を伝えるものであれば、それをデザインや配置でどのように表現するかを細かく検討します。製品が訴求したいメッセージをブース全体のデザインや構成にどのように落とし込むか、来場者にとって一目でわかりやすい動線や配置を考え、何度も計算し直します。
川井:私は、デザイナーとしてお客様が展示会で紹介する製品やサービスの特性を深く理解することをとても大切にしています。まず、展示する製品のカタログやウェブサイトを徹底的に確認し、その製品がどのような特徴を持っていて、ターゲットユーザーが誰なのかを把握することから始めます。
事前のリサーチを通じて、「展示する製品が何を伝えたいか」「来場者がどのように感じてほしいか」という点を徹底的に考え抜きます。文字情報だけで理解できないときには、クライアントに直接話を伺うこともあります。製品に込められた開発背景や企業のメッセージも含めて理解し、展示空間にどう反映させるかを練り上げます。
たとえば、製品が「安心感」や「先進性」といった印象を伝えるものであれば、それをデザインや配置でどのように表現するかを細かく検討します。製品が訴求したいメッセージをブース全体のデザインや構成にどのように落とし込むか、来場者にとって一目でわかりやすい動線や配置を考え、何度も計算し直します。
――川井さんのプロ意識の高さが伝わってきます。では、デザインのイメージ共有にあたって、特に心がけていることがあれば教えてください。
川井:直接クライアントの営業担当者と話し、「どのような形で伝えたいのか」「最も重要なメッセージは何か」を確認することで、具体的なデザインイメージを共有するようにしています。さらに、展示会場でのライトの当たり具合やブース全体のグラフィック配置なども事前に考慮し、実際の空間でどう見えるかをシミュレーションします。特にライトの配置ひとつで製品の見栄えが大きく変わるため、入念に調査・ヒアリングを重ねています。
また、3Dでブースのシミュレーションをすることにもこだわっています。平面の図面だけではなく、ブースの仕上がりを立体的なイメージでご覧いただくことで、クライアントはイメージを掴みやすくなります。「来場者がブースにどの方向から近づくのか」「ブースの中でどのように製品を配置するのか」など、3Dで視点を変えながら確認してもらうことで、お客様のイメージとズレがないように心がけています。
――川井さんが「絶対に妥協しないこと」は何でしょうか?
川井:やはり「どのような視点から見ても魅力的に見える展示空間」を提供することですね。特に、顧客のブランドイメージや企業の特性を最大限に引き出すため、グラフィックやライトの調整にはこだわっています。また、企業ごとのブランドガイドラインやロゴの使い方にも注意を払い、製品をより印象深く見せる工夫をします。
たとえば、あるクライアントから「ブースのどの方向からもロゴが見えるようにしてほしい」という依頼があり、その際にはデザインの視点を変えながら何度も調整しました。このように、顧客ごとの要望に応じて柔軟に対応しながらも、クオリティには絶対に妥協しないようにしています。
――そうした細部にわたるこだわりが、御社の強みでもあるわけですね。
川井:はい。展示ブースのデザインにおいて、最終的な目標は来場者に製品の魅力をしっかりと伝えることです。そのため、デザインだけでなく、照明の配置や製品の配置にもこだわり、クライアントと共に何度も確認を重ねます。特に展示会場の条件に応じて異なる配置や光の調整を行い、製品が最も輝く瞬間を演出するための努力を惜しみません。
実際に「展示会で一番多くの来場者を集められた」とクライアントから喜びの声をいただいたこともあります。こうしたポジティブなフィードバックは、私たちにとって大きな励みになっています。
――実際の制作段階に入った際、特にこだわっている部分や、スタッフ間でのコミュニケーションについても教えてください。
髙見:現場での作業がスムーズに進むかどうかは、事前準備と当日のコミュニケーションにかかっています。展示会の設営は限られた時間内で行われることが多く、複数の協力会社と連携しなければなりません。そのため、事前に関係者全員で詳細な打ち合わせを行い、役割分担や設営の順序を細かく確認しています。また、当日の作業においても、進行状況をリアルタイムで共有し、現場で生じた課題に即座に対応できるよう意識しています。
特に、展示物の設置順序や各社の作業タイミングに配慮し、作業が重ならないようスケジュールを調整することが大切です。ある展示では、限られたスペースで同時に複数の業者が作業することになり、物理的な制約が多かったのですが、作業スペースを区分けし、コミュニケーションを密に取ることで、スムーズに設営を完了できました。このような現場での対応力や調整力が、最終的な仕上がりに大きく影響するため、細部にわたる確認作業を徹底しています。
川井:直接クライアントの営業担当者と話し、「どのような形で伝えたいのか」「最も重要なメッセージは何か」を確認することで、具体的なデザインイメージを共有するようにしています。さらに、展示会場でのライトの当たり具合やブース全体のグラフィック配置なども事前に考慮し、実際の空間でどう見えるかをシミュレーションします。特にライトの配置ひとつで製品の見栄えが大きく変わるため、入念に調査・ヒアリングを重ねています。
また、3Dでブースのシミュレーションをすることにもこだわっています。平面の図面だけではなく、ブースの仕上がりを立体的なイメージでご覧いただくことで、クライアントはイメージを掴みやすくなります。「来場者がブースにどの方向から近づくのか」「ブースの中でどのように製品を配置するのか」など、3Dで視点を変えながら確認してもらうことで、お客様のイメージとズレがないように心がけています。
――川井さんが「絶対に妥協しないこと」は何でしょうか?
川井:やはり「どのような視点から見ても魅力的に見える展示空間」を提供することですね。特に、顧客のブランドイメージや企業の特性を最大限に引き出すため、グラフィックやライトの調整にはこだわっています。また、企業ごとのブランドガイドラインやロゴの使い方にも注意を払い、製品をより印象深く見せる工夫をします。
たとえば、あるクライアントから「ブースのどの方向からもロゴが見えるようにしてほしい」という依頼があり、その際にはデザインの視点を変えながら何度も調整しました。このように、顧客ごとの要望に応じて柔軟に対応しながらも、クオリティには絶対に妥協しないようにしています。
――そうした細部にわたるこだわりが、御社の強みでもあるわけですね。
川井:はい。展示ブースのデザインにおいて、最終的な目標は来場者に製品の魅力をしっかりと伝えることです。そのため、デザインだけでなく、照明の配置や製品の配置にもこだわり、クライアントと共に何度も確認を重ねます。特に展示会場の条件に応じて異なる配置や光の調整を行い、製品が最も輝く瞬間を演出するための努力を惜しみません。
実際に「展示会で一番多くの来場者を集められた」とクライアントから喜びの声をいただいたこともあります。こうしたポジティブなフィードバックは、私たちにとって大きな励みになっています。
――実際の制作段階に入った際、特にこだわっている部分や、スタッフ間でのコミュニケーションについても教えてください。
髙見:現場での作業がスムーズに進むかどうかは、事前準備と当日のコミュニケーションにかかっています。展示会の設営は限られた時間内で行われることが多く、複数の協力会社と連携しなければなりません。そのため、事前に関係者全員で詳細な打ち合わせを行い、役割分担や設営の順序を細かく確認しています。また、当日の作業においても、進行状況をリアルタイムで共有し、現場で生じた課題に即座に対応できるよう意識しています。
特に、展示物の設置順序や各社の作業タイミングに配慮し、作業が重ならないようスケジュールを調整することが大切です。ある展示では、限られたスペースで同時に複数の業者が作業することになり、物理的な制約が多かったのですが、作業スペースを区分けし、コミュニケーションを密に取ることで、スムーズに設営を完了できました。このような現場での対応力や調整力が、最終的な仕上がりに大きく影響するため、細部にわたる確認作業を徹底しています。
次世代に繋ぐ挑戦と持続可能な空間づくり。中村展設が目指す未来のビジョン
――次世代の社員育成についてもお聞かせください。特にどのような方針で取り組まれているのでしょうか?
髙見:若手社員の育成は、私たちにとって非常に重要です。展示会業務は現場での体力と判断力が求められるため、早いうちから現場を経験させることが必要だと考えています。新人社員には、プロジェクトを通して「自ら考え、行動する力」を身につけてもらいたいと思っています。そのため、ある程度の裁量を持たせ、若手のうちから主体的に行動できるような環境を整えています。
――環境への配慮やサステナビリティについての取り組みも進めていると伺いましたが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?
髙見:短期間で設営と撤去が行われる展示業界では、廃棄物が多く出るという課題があります。そのため、当社ではリサイクル可能な素材やエコ素材の活用を進めています。また、SDGsに基づいた持続可能な展示会を目指し、設計段階から廃棄物を減らす工夫を取り入れています。顧客からもサステナビリティに対する関心が高まっているため、こうした取り組みを通じて環境にも配慮した展示ができるよう、今後も改善と工夫を続けていきます。
髙見:若手社員の育成は、私たちにとって非常に重要です。展示会業務は現場での体力と判断力が求められるため、早いうちから現場を経験させることが必要だと考えています。新人社員には、プロジェクトを通して「自ら考え、行動する力」を身につけてもらいたいと思っています。そのため、ある程度の裁量を持たせ、若手のうちから主体的に行動できるような環境を整えています。
――環境への配慮やサステナビリティについての取り組みも進めていると伺いましたが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?
髙見:短期間で設営と撤去が行われる展示業界では、廃棄物が多く出るという課題があります。そのため、当社ではリサイクル可能な素材やエコ素材の活用を進めています。また、SDGsに基づいた持続可能な展示会を目指し、設計段階から廃棄物を減らす工夫を取り入れています。顧客からもサステナビリティに対する関心が高まっているため、こうした取り組みを通じて環境にも配慮した展示ができるよう、今後も改善と工夫を続けていきます。
――最後に、今後の展望についてお聞かせください。
髙見:「100年続く会社であり続けるためには、常に変化し続けなければならない」と考えています。現在、当社はイベント展示施設や美術館・博物館、商業施設といったさまざまな領域で空間デザインや環境演出に取り組んでいますが、100人のお客様がいれば100の想いがあるように、顧客それぞれの想いを形にすることを使命としています。イベントが当社の代表的な商品であり、展示会を通じてお客様に新しい価値を提供していくことに尽力しています。
一方で、我々だけでカバーできない分野もあるため、そうした場合には専門的な強みを持つパートナー企業と連携し、「アレンジャー」としてお客様に最適な空間をプロデュースしていきます。50人規模の会社だからこそ、強みを活かしたアレンジメントに特化し、お互いが補完し合うことで実現できる価値を提供していきたいと考えています。
また、世代を超えて変化を続けることで会社の持続性を保っていきたいと思っています。変化し続けなければ、お客様も私たちに興味を失ってしまうでしょう。若い人材が課題を乗り越えながら新しい価値を生み出す。それが繰り返されることで、会社は100年、そしてさらに続いていけると信じています。
コロナ禍の影響もあり、ここ数年で、リアル展示とバーチャル展示の両方が求められるようになっています。今後は、リアルとバーチャルを融合させた新しい展示が主流になっていくと予想しています。こうしたニーズの変化に応えるため、技術の進化に合わせた新しい展示体験を提供し、これからもより多くの方に感動を届けていきたいです。
<本記事はPR記事です>
edit & write : yoko sueyoshi
photo : hideki ookura
髙見:「100年続く会社であり続けるためには、常に変化し続けなければならない」と考えています。現在、当社はイベント展示施設や美術館・博物館、商業施設といったさまざまな領域で空間デザインや環境演出に取り組んでいますが、100人のお客様がいれば100の想いがあるように、顧客それぞれの想いを形にすることを使命としています。イベントが当社の代表的な商品であり、展示会を通じてお客様に新しい価値を提供していくことに尽力しています。
一方で、我々だけでカバーできない分野もあるため、そうした場合には専門的な強みを持つパートナー企業と連携し、「アレンジャー」としてお客様に最適な空間をプロデュースしていきます。50人規模の会社だからこそ、強みを活かしたアレンジメントに特化し、お互いが補完し合うことで実現できる価値を提供していきたいと考えています。
また、世代を超えて変化を続けることで会社の持続性を保っていきたいと思っています。変化し続けなければ、お客様も私たちに興味を失ってしまうでしょう。若い人材が課題を乗り越えながら新しい価値を生み出す。それが繰り返されることで、会社は100年、そしてさらに続いていけると信じています。
コロナ禍の影響もあり、ここ数年で、リアル展示とバーチャル展示の両方が求められるようになっています。今後は、リアルとバーチャルを融合させた新しい展示が主流になっていくと予想しています。こうしたニーズの変化に応えるため、技術の進化に合わせた新しい展示体験を提供し、これからもより多くの方に感動を届けていきたいです。
<本記事はPR記事です>
edit & write : yoko sueyoshi
photo : hideki ookura