安全・信頼・革新力で…

安全・信頼・革新力で感動の場を 創出。地方創生にも取り組むTSP太陽の挑戦

1970年の大阪万博を皮切りに半世紀以上にわたり、人々を魅了するイベントを数多く手掛けてきたTSP太陽株式会社。感動の場を創造するプロフェッショナル集団として、国際的なビッグイベントをはじめとする様々なイベントの裏側に携わってきました。事前収支計画、クリエイティブデザイン、建築設計、施工、運営まで提供できる強みを持つ同社。クリエイティブディレクション事業部の金原貫太郎氏に事業の特徴や安全管理へのこだわり、そして近年注力する地方創生事業への想いについて伺いました。

国際イベントの豊富な実績。最新技術を活用し、サービスの幅を拡大

――最初にTSP太陽の特徴や強みについて教えてください。

金原:当社は、1970年の大阪万博からはじまり、国際的なビッグイベントの会場計画や運営・輸送業務など、世界各国の方が参加するイベントに携わってきました。その経験から、クライアントの要望を具体化し、感動を共有できるイベントを実現できるノウハウを強みとしています。

例えば、さいたま新都心の市街地を駆け抜ける特設コースを設置して行われる自転車ロードレース「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」では、大規模な交通規制や警備、競技運営、中継・配信、進行などを例年担当しています。

市街地で実施するため、限られた時間内での設営・撤去をしなければなりません。そこで、約1000名のスタッフを効率的に動かすべく、事前の準備と打ち合わせを徹底。経験豊富なスタッフを配置し、協力会社とも密に連携しています。こうした難易度の高いイベントの裏側を担えるのも、長年培ったノウハウがあるからです。

また、近年はイベント制作だけではなく、イベントを企画する「川上」の事業にも注力しています。2024年5月に行われた「タイフェスティバル東京」では、民間企業3社での共同主催者という立場で、代々木公園のイベントのほか、タイのアーティストのパフォーマンスや、タイドラマの俳優が登場するステージを企画・運営しました。現在、タイエンタメはブームを迎えており、全公演がほぼチケット完売となり、ファンの熱狂ぶりを強く実感しました。

このようにイベントをつくる側の視点と事業者の視点の両方を持ち合わせているので、クライアントの要望を的確に把握し、効果的なイベントを企画・運営できます。

大盛況となったタイフェスティバルの会場の様子

――「ゴッホ・アライブ」「モネ&フレンズ・アライブ」のような新しいタイプの展覧会にも携わっていると伺いました。これまでのノウハウがどのように活かされましたか?

金原:「ゴッホ・アライブ」「モネ&フレンズ・アライブ」は、絵画の世界を五感で感じられる新感覚の没入型展覧会で、当社は会場運営を担当しました。空間演出や、来場者の動線設計、スタッフの配置など、従来のイベントのノウハウを応用しました。

「モネ&フレンズ・アライブ」では、日本橋三井ホールと本展をつなぐインスタレーションや、観覧後も作品の余韻を楽しめるように、二次元バーコードをスマートフォンなどで読み取ることで、作品に関連する追加のコンテンツにアクセスできる 「スーベニアカード」を制作。なぜ江戸時代当時に日本の中心だった「日本橋」で本展を開催しているのか、この場所で開催に至るまでのストーリーをひもとくことで、来場者の体験価値を高めました。

TSP太陽が会場運営を担当したゴッホ・アライブ東京展

――従来のイベント運営スキルを活かしつつ、新しい体験型展覧会に対応できる点も、強みが十分に発揮されている証ですね。

金原:そうですね。他にも、これまで培ってきたノウハウを土台に、新しい技術や方法にも積極的に取り組んでいます。例えば、イベント会場のイメージをより具体的に把握するために、「BIM(ビム)」というシステムを導入しています。建築業界ではよく使われている技術ですが、イベント制作での活用はまだ少なく、3次元のグラフィックでより直感的に空間設計ができるのが大きなメリットです。現在、図面を制作するチームとは別に、BIM専属のチームを立ち上げて3名が所属しています。

3次元モデルを生成することで、お客様が完成形をイメージしやすくなり、設計の変更や意思決定のプロセスがスムーズになりました。また、図面ではわからなかった部分もBIMなら解像度高く確認できるため、無駄な資材の発注を防ぎ、環境に優しいイベントづくりが可能になりました。

BIMを活用して具現化した「ダンロップフェニックストーナメント」の会場

他にも、イベントを楽しむために役立つ情報や、チケット・飲食・グッズ販売・モバイルオーダーなどの機能を一括利用できるサービスとして「コンパス」を開発しました。背景には、イベントに来場する方が複数のアプリやサービスを使い分ける煩わしさを解消し、快適に過ごしていただける環境をつくりたいという思いがありました。

2023年に男子プロゴルフトーナメント「ダンロップフェニックストーナメント」で、コンパスを活用していただいたところ、来場者の皆様から「一つのアプリで全て完結できて便利」と好評をいただきました。今後は、フェスや大規模なイベントなど広い会場での活用を目指し、さらなる機能拡充を検討していきます。

安全管理への徹底した追求。宮内庁も信頼するTSP太陽

――TSP太陽は安全管理室を設置し、イベントの安全管理に注力されていると伺いました。安全管理室の具体的な役割や活動内容について、詳細を教えてください。

金原:当社の企業理念として、「事業活動のすべてにおいて安全と安心が最も大切である」を掲げています。今後の目標は、労働災害や重大災害の撲滅を目指しています。最近は、熱中症などの発生時の対処法を標準化し、重症化を防ぐ対策を進めています。

安全管理室は、現場の安全を最優先に考え、三つの主要な活動を行っています。一つ目は、「現場着工前の検討会の実施による安全確認と指導」です。一定規模の施工案件では、図面を用いて事前協議を行い、現場管理者や営業担当者など、各自の視点から潜在的な危険をディスカッションします。これにより、リスクを低減し、安全な現場作業を実現します。

二つ目は、「パトロールによる現場での安全指導」です。安全管理者が実際に現場に出向き、事前に指導した内容が適切に実施されているか、不安全な行動がないかを確認します。現場の状況を直接確認することで、迅速な対応が可能です。

三つ目は、「安全教育の実施と法改正などの周知」です。作業現場に二次元バーコードを貼って、そこから安全確認用の資料を確認できるようにしました。紙の資料を用意するよりも確認しやすいため、安全管理の徹底に向けて、全員が同じレベルの知識を持てるようになりました。

安全管理室も専属の社員が在籍しており、外部の有識者から意見をいただきながら、日々教育方法のアップデートに努めています。

作業現場に貼られる安全確認用の二次元バーコード

――イベントにおける安全管理で、特に意識されていること、困難だったこと、工夫したことを教えてください。

金原:特に意識しているのは、事前の準備と全員への教育徹底です。イベント現場は時間に追われがちで、安全が軽視されることもあります。そのため、事前の検討会や安全教育を徹底し、リスクを最小限に抑えるよう努めています。また、事故が発生した際には全社で情報を共有し、再発防止に努めています。透明性を高め、同じ事故を繰り返さないようにすることを重要視しています。

困難だった点は、協力会社やスタッフ全員に同じレベルの安全意識を持ってもらうことです。これを乗り越えるために、定期的に協力会社を集めて講習会を開催し、共通の安全管理基準を周知しています。

工夫した点として、ITを活用した現場管理の効率化があります。現場の状況をリアルタイムで共有できるアプリを導入し、写真や情報をタイムリーに全員で共有しています。

――皇室関連のイベントにも携わっているそうですね。安全管理で意識されていることを教えてください。

金原:具体的には、皇室の方々がご出席されるイベントに携わっています。例えば、高校総合文化祭の総合開会式や国民体育大会(現在の「国スポ」)の開閉会式などです。

これらの案件では、皇室専用の机や椅子、幕など、特別な仕様の備品の管理や配置を任されています。安全管理面では、特に警備と防護に重点を置き、机に防弾仕様を施すなど、皇室の方々の安全を最優先に考えた対策を行っています。

「厳格な運営マニュアルに基づき、細部にわたって注意を払っています」と安全管理のポリシーを語る金原部長

地域に寄り添い、歴史と文化を深掘り。一過性ではなく継続的な地域活性化を

――空間演出を手掛けるクリエイティブチーム「ELEMENTS」について教えてください。

金原:「ELEMENTS」は、クリエイティブディレクター、プロデューサー、デザイナー、エディター、セールスなどで構成される、地域に特化したチームです。

チームの強みは、公園・城・庭園・自然資源などの観光資源を活用し、昼夜ともに楽しめる空間づくりです。主催者の課題やニーズを調査・分析し、企画から施工、運営、PR、効果検証に至るまで、ワンストップでプロデュースしています。

――地域の魅力を発掘し、プロデュースするという点において、特に強みとしている点はどんなところでしょうか?

金原:イベントづくりのノウハウとデジタル技術の活用を組み合わせ、地域の魅力を最大限に引き出すことです。マーケティングリサーチによるデータ分析と、地域の歴史や文化を深く掘り下げた表現を追求しています。また、デジタルとアナログの中間を取るような造形の美しさを追求し、他にはない体験価値を生み出しています。

例えば、「姫路城・ナイトファンタジア おとぎ幻影伝」では、映像とイルミネーションを使って、伝説やおとぎ話に登場する不思議な生き物や妖怪たちがいる空間を表現。たくさんの来場者の方が足を運んでくださり、好評でした。

姫路城を幻想的に演出した「姫路城・ナイトファンタジア おとぎ幻影伝」

――地方創生や地域活性化に貢献するイベントを企画する上で、最も大切にしている価値観は何ですか?

金原:最も大切にしているのは、その土地ならではの魅力を引き出すことです。

例えば、宮城県にある多賀城創建1300年を記念する事業の1つで特別史跡にて1日限りのプレミアムレストランをオープンした「多賀城 Outdoor Dining」プロジェクトでは、多賀城市の名産である古代米に着目。地元のシェフや主婦の方々と協力し、洋風のおじや「多賀城オジャ(Olla)」を開発しました。新しい名物料理を作り出すことで、地域の魅力を発信しました。

イベントだけでなく、その後も市内のレストランで提供するキャンペーンを行い、継続的な地域活性に貢献しました。このように、地域の方々との連携を深め、地元の課題やニーズを理解し、一緒に解決策を考える姿勢を大切にしています。また、一過性のイベントではなく、継続的な地域活性化に繋がる取り組みを目指しています。

地域に眠る潜在的な魅力を引き出した「多賀城 Outdoor Dining」

――今後の地方創生事業における目標や展望があれば教えてください。

金原:今後も、地方の特色を活かした独自のイベント提案を行い、地域の魅力を発信していきたいと考えています。

大阪・関西万博において、当社は人員派遣の分野でも取り組んでいます。運営事務局や人材採用・教育を含めた人材派遣の全体を担当しており、事業領域を広げています。これは、弊社だけでなく、ヒト・コミュニケーションズなどの人材派遣会社と協力して進めており、仮設運営の経験を活かして万博でも長期的な運営に対応できるノウハウがあるためです。 今後も、これまで培ってきたノウハウとパートナーシップを活かし、地域に根ざした事業をさらに拡大しながら、地方創生に貢献していきたいです。

<本記事はPR記事です>

edit & write : yoko sueyoshi
photo : hideki ookura
X
facebook